記事を開いてくださった方々、誠にありがとうございます。
今回は2023年2月17日に発売されました「WILD HEARTS(ワイルドハーツ)」のストーリーをクリアしましたので、クリア時点での感想、評価と「モンハンとの違いや討鬼伝との関係」を書いていきます。
購入に迷っている方の参考になれば嬉しいです。
WILD HEARTSの公式HPはこちら→WILD HEARTS™ | EA Originals
面白かった?つまらなかった?
本作がどういったゲームなのかを簡単に言うと、他社のモンスターハンターシリーズのような「モンスター(獣)を狩って素材を集めて装備品を作り、更に強いモンスターを狩りに行く」という所謂「ハンティングアクション」です。
和風の世界観となっており、モンハンの「モンスター」に該当する存在はワイルドハーツでは「獣」と呼ばれています。
僕がストーリーをクリアしての感想は「かなり面白い」です。
僕がストーリークリアまでかかった時間は約35時間で、そこからエンドコンテンツがあるのでボリュームも相当あります。
このゲーム本当に面白い。
PSPでモンハンブームが起きて以降、「狩りゲー」と呼ばれるジャンルのゲームが多く生み出されいろいろプレイしてきましたが、その中でもトップクラスに面白いと思いました。
自分がモンハン以外の狩りゲーで一番ハマったゲームかもしれません。
確かにバグや気になる(あるいは不満に感じる)点も多々あるのですが、それ以上に楽しさが勝ってしまうと感じました。
「避けれるかそんなもん」「それは無理」「おかしいだろ今のは」とかたらたら文句言いながらもなんだかんだで続けてしまうというなんか不思議な中毒性のあるゲームです。
ストーリーはクリアしましたが、すっかりこのゲームにハマっちゃって今はエンドコンテンツに挑戦するために装備を作ってます。
ではモンハンとの違いや、どんな部分が面白かったのか、残念だと感じたのかを書いていきます。
討鬼伝との繋がりはあるか?
開発チームが同じである狩りゲー「討鬼伝」シリーズとの関係ですが、
どちらも「和をテーマにした狩りゲー」というだけで、ストーリーや舞台は全くの別物でした。
また、討鬼伝では文字通り戦う相手が「鬼」という得体のしれない存在なのに対して、ワイルドハーツは「獣」という「自然界に生息する強大な生物」という位置づけなので、どちらも和をテーマとした作品ながら雰囲気も全然違いました。
同じなのは「狩りにより固有の素材を集めて武器と防具を作成する」という狩りゲーの基本部分くらいで、アクションや武器種も違う完全新規の作品です。
なので討鬼伝を知らなくても全く問題ありません。
面白い点
武器やからくりを駆使したアクションが楽しい
今作には「からくり」という、戦闘やフィールド内の移動、素材集めをサポートするシステムがあります。
種類は非常に豊富で、戦闘中は敵の攻撃を妨害して隙を作ったり、罠を作り出して拘束したりなど、戦闘を有利に進めることが出来ます。
この「からくり」を使いこなせるか否かでこのゲームの難易度と楽しさは大幅に変わっていくように感じました。
僕は最初このからくりシステムを軽視し、武器や防具の性能ばかりを気にしていました。
ですがとある獣(忘れもしないク〇狸とライダーキックチキン野郎)と戦った時に、あんまりにも攻撃も回避もしんどかったもんでからくりを使ってみた所、それまでの怒りがすっ飛ぶくらい気持ちよく狩りが出来るようになりました。
それまではストレスの方がかなり大きかったのですが、そのタイミングでワイルドハーツの楽しさとゲーム性をようやく理解することが出来ました。
「このゲームはモンハンとは全くの別物だ」とはっきり感じたのもそこが大きかったです。
このゲームはモンハンの感覚でプレイしていると非常に難しいです。
後でも書きますが、このゲームは獣の攻撃が結構苛烈で、あたりの判定時間も長く範囲も広いので、いかにからくりを使って回避や妨害をするかが非常に重要です。
からくりの扱いに慣れてくると、攻撃するべきタイミングや妨害して隙を作れるタイミングが見えてくるので、それがわかると非常に気持ちよく狩りが出来るようになっていきます。
武器は「刀」「野太刀(大剣)」「槌」「弓」「和傘」「大筒」「飛燕刀(双剣)」「変形棍」の計8種類があり、他のゲームとは一味違う特性や操作があるので、どれもかなり個性的で面白いです。
覚える楽しさと討伐の達成感が強い
本作は獣が強く難易度が高めなのですが、何度も挑戦し獣の動きやからくりの使い方を覚えていくことで段々とスムーズに獣狩りが出来るようになっていきます。
そしてやっとの思いで討伐できた時の達成感はものすごくデカいです。
この「覚える楽しさと討伐の達成感」はモンハンだけではなく、ダークソウルやSEKIROのボス戦に近い感覚でした。
強めの中毒性ありです。
キャラメイクで美男美女が作りやすい
キャラメイクは、あらかじめゲームで用意されている顔プリセットや各パーツを選んでベースを決め、そこから「目の大きさ」だったり「鼻の高さ」などの細かい調整をしていくタイプです。
プリセットの時点で顔はかなり整っているので、よほど極端な調整をしないかぎりはかわいいキャラやカッコいいキャラを簡単に作成できます。
かといってバリエーションが乏しいということは無く、自由度も高いのでかなり幅のあるキャラメイクが可能です。
ゲームを進めるとキャラメイクのやり直しが出来るようになり、性別も変えられるので気楽にゲームスタートが出来るのも良いところです。
なのでキャラメイクの出来るゲームが好きだという方にもおすすめなゲームとなっております。
キャラメイクの記事も以前投稿しておりますが、こんな感じのキャラが簡単に作れます。
獣のデザインが良く、名前もシンプルで覚えやすい
どの獣もインパクト抜群です。
見た目は雑に説明すると「動物から植物が生えてる」といった感じで、モンスターや獣というより日本や中国の伝説に登場するような「神獣」といったイメージのデザインです。
このデザインがいい。すごくいい。
名前もかなりシンプルで、「ハナヤドシ(花宿し)」「ヤマウガチ(山穿ち)」「ラセツ(羅雪)」などなんとなく見た目とマッチした名前がついるのでめちゃくちゃ憶えやすいです。
ハナヤドシ(花宿し)
ヤマウガチ(山穿ち)
ラセツ(羅雪)
この「憶えやすい」というのが非常に良かったです。
序盤で「○○を討伐してきて!」と名前だけ教えられ、まだ見たことのない獣を討伐しに行った時でも、上に書いた通り名前と見た目のイメージがだいたいマッチしているので「あ、コイツだ」とすぐわかります。
僕はワイルドハーツの獣のデザインが自分の好みにすごく合います。
高い頻度でアップデートによる獣の追加をしてくださるとのことなので、追加がかなり楽しみです。
あと本作は「後々狩らなくなる獣」がほとんどいませんでした。
獣の種類自体が少ないのもあるんですけど、本作では武器や防具の作成に全獣の素材を満遍なく使うので、「一回狩ったらもういいや」となる獣がほぼいませんでした。
本作の武器、防具作成は面倒に感じるところもあるのですが、いろんな獣を狩りに行く楽しさがあるのは個人的に大分Goodです。
世界観における獣の立ち位置
ワイルドハーツの世界における獣(主に巨獣)の扱いや立ち位置なのですが、一部を除き、基本的には「自然界で生活する強大な生き物」という扱いみたいです。
邪悪な敵ではなく、むしろ「吉をもたらす鳥」など、神様のような存在として見られている獣もいます。
なので「獣を殲滅して世界を救うんだ!」というわけではなく、「あそこにあいつ(巨獣)がいて危ないからなんとかしてくれ」みたいな感じで、あくまで「獣狩りという職業の人」が「依頼された仕事」として獣を狩って行きます。
この「人間から見た獣の存在」はモンスターハンターのモンスターの扱いや立ち位置とよく似ていました。
獣を倒してとどめを刺すときに主人公が発する「御免」という言葉からも、ワイルドハーツの世界では獣がどういう存在なのかをなんとなく読み取ることが出来ます。
まさかただかっこよく決めたいから言ってるわけじゃないよね?
見た目と名前の憶えやすさも相まって、非常にそれぞれの獣に愛着がわきやすく感じました。
ただし初見でしこたまボコボコにしてくれた狸と鶏はどうも苦手です。
第一印象って大事よね。
演出面に力が入っている
獣にとどめを刺すとき、形態変化のBGM、各ムービーなど演出はどれも力が入っていて視覚的にも聴覚的にも盛り上げるところはしっかりと盛り上げてくれます。
特にラスボスの演出なんか鳥肌ものでした。
ゲームの画質自体はぶっちゃけそこまで高品質だとは言い難いですが、ラスボス戦の演出は「カッコよさ」「美しさ」「迫力」と文句のつけどころがありませんでした。
気になった点
長いロードがあったり処理落ちするときがある
僕はPS5版をプレイしていますが、現フィールド→別フィールドや拠点(湊と呼ばれている場所)に帰る時などに発生するロードが長いです。
今までプレイしたPS5のタイトルで、ここまで長いロードがあるゲームは今のところワイルドハーツだけです。
ロード以外でも画質が粗いときがあったり、操作中に読み込みでカクカクするときがあったりと、細かい調整が完全に出来ていないのかな?という印象を受けました。
今後アップデートで改善されることを期待します。
回復アイテムの使用がスムーズじゃない
僕ゲームの紹介とかしてるくせに説明が下手くそなのでわかりづらかったら本当にごめんなさい。
獣の攻撃を受けてぶっ飛ばされたときに体力を回復しようとして回復のボタンを押すじゃないですか。
その時ボタンの入力を即座には受け付けてないみたいで、回復しようとしてから回復ボタンが押せるようになるまでに若干のタイムラグがあります。
そのタイムラグが僕には長く感じてしまいました。
なのでゲームに慣れるまでは、自分が大ダメージを受けて「ヤバい、回復しなきゃ」と思って回復ボタンを押しても、そのタイミングではボタン入力になっていなくて「なんで回復しないの!」という事態が頻繁に起こってました。
カメラワークで敵の攻撃が見えないときがある
本作の一番のストレスがこれでした。
攻撃を受けたときに壁や建物の近くに吹っ飛ばされたりすると、カメラが自分に寄りすぎて何をされているか全くわからないうちに追撃を受けて乙るなんてことがめちゃくちゃありました。
この追撃された時の「はぁ?」っていうイライラがヤバい。
題目に見えない「ときがある」と書きましたが、戦闘エリアによっては割と頻繁になります。
加えてこのゲーム、エリア自体は広めなのですが獣のサイズも大きめでかなりアクティブに動くので、隅っこに結構追いやられてしまうことがありました。
これが無ければ、元々面白いゲームがもっともっと楽しめるようになると思います。
キャラメイクの保存機能が無い
最近のキャラメイクが出来るゲームでは、作成したキャラの見た目を保存できる機能が備わっているゲームが多いのですが、ワイルドハーツには保存機能がありませんでした。
キャラメイクのやり直しは出来るのですが、一度見た目を変えた後「やっぱり前の方がよかったな」と思った場合には、また最初から作り直す必要があります。
なので自分で理想通りのキャラが出来た場合は、何かにレシピをメモしておいた方が良いと思います。
この点は非常に残念でした。
小型モンスターの妨害で溜め攻撃の溜めが消える
本作は狩りのメインである巨獣の他に小型の獣も戦闘中ちょっかいを出してきます。
つまりあれですよ。
ブルファンゴとかランポスみたいなのがいるわけですよ。
ただちょっと邪魔なくらいだったらまだ全然いいんですけど、
厄介なのが野太刀や弓など「溜め攻撃が出来る武器で溜めた状態」がそいつらの妨害によってキャンセルされてしまうことです。
ただでさえ隙が少ない巨獣との戦闘で、しかもギリギリの戦況の時にせっかく作った攻撃チャンスにそれをやられると発狂しそうになります。
なので戦闘前に近くの小型獣は処理しておくことをおすすめします。
獣の攻撃がしつこい&追尾性能が高すぎる&攻撃判定がわかりづらい
この記事の別項目で書いた、僕が思う「モンハンの感覚でプレイすると非常に難しい」理由がこれです。
というのもこのゲームの戦闘はおそらく「からくりを駆使して戦うことを前提に設計されている」のだと思います。
攻撃判定に関しては、範囲は広く持続時間も長いので強力です。
かと思えば絶対くらったと思っていた攻撃がなぜか当たっていなかったりとよくわからないときがあります。
キャラクターの回避性能そのものは低いわけではなく、ローリングではなく「ダッシュ→〇ボタン」で出るスライディングであれば無敵時間がそれなりに合ってかなり使いやすい感覚でした。
しかしそれを以てしても、今作の獣のコンボがしつこい&鬼追尾性能&攻撃判定がよくわからんせいで避けきれないパターンが多かったです。
なのでこのゲームは、回避行動を取る際はローリングではなく主にからくり「発」
を使って回避した方が良いです。
モンハンでローリング回避が染みついている方は慣れるまで大変だと思います。
そりゃあ獣サイドも生きるのに必死でしょうから、それだけの殺意があるのはある意味自然な事なのかもしれませんが攻撃がとにかく苛烈です。
そんだけ動いたらもっと疲れるとかあってもいいだろ。
君たち一応「動物」って扱いじゃないのかい?
からくりを使わなくても倒せないことはないと思いますが、正直それをやると楽しさよりもストレスが勝ってしまい、「やってられんわ」と感じてプレイを投げ出してしまう可能性があります。
なのでこのゲームはからくりのシステムを理解するかどうかでゲームに対する感想が大きく変わってくるように思います。
この点は評価が割れやすい点なのかなと感じました。
モンハンとは何が違う?
本作の比較対象として、ハンティングアクションの代表作である「モンスターハンター」シリーズを思い浮かべる方が多いと思います。
・狩りにより固有の素材を集めて武器と防具を作成する
・部位破壊
・一度の狩りで3回やられたら討伐失敗
・小型モンスターがうざい
・下位、上位、それ以降とモンスター(獣)の強さが上がる
といった狩りゲーのお約束は大体一緒です。
「狩る」→「集める」→「作る」→「狩る」という基本の流れはモンハンと同じなのですが、それ以外はそれぞれで独自の要素があるので、しっかりと差別化は出来ているように感じます。
戦闘面は全くの別物です。
特に獣の判定の広さや判定時間が長めで、追尾性能もものすごく高いので、特に回避行動なんかはモンハンの感覚でプレイしてるとかなり苦労すると思います。
からくりを使わないと上位装備でG級終盤のモンスターを相手にしてるくらいのしんどさがあります。
明確な隙が少ない獣も多数いるので、いかにからくりを上手く使って攻撃チャンスを作るかが重要です。
それが型にはまったときの気持ち良さはモンハンとは違う楽しさでもあります。
そしてフレンドリーファイアが無いのが良かったです。
どんなゲームが好きな人におすすめか?
プレイした感じだと、モンハンが好きな方以外でも「仁王」「SEKIRO」のボス戦のように
「トライ&エラーで上達していく」「強敵を倒すことで強い達成感を味わえる」「和風な世界観」といった傾向が強いゲームが好きな方には、おすすめできるのではないかと感じました。
本作の開発チームの代表作には真・三國無双や戦国無双などの「無双シリーズ」がありますが、無双シリーズのように「簡単操作で敵の大群をバタバタ薙ぎ払うのが気持ち良い」というゲームではないので、無双シリーズのような気持ち良さを味わいたい方には合わないと思います。
まとめ
ワイルドハーツは決して「和風モンハン」ではなく、独自の要素や新しい試みがしっかりとあり、すごくお気に入りゲームになりました。
残念な点や気になる点も結構あるのですが、それを加味しても面白さの方が勝ってしまうような中毒性の高い魅力的なゲームです。
特に自分が良かったと感じたのは「獣の存在感、デザイン」と「アクションの楽しさ」です。
シリーズ化されるかはまだわかりませんが、これを1作で終わらせるのはもったいないでしょう。
是非とも続いてほしいです。
以上「【ワイルドハーツ】感想、評価 不満以上の面白さがある~モンハンや討鬼伝との違いは?」でした。
最後まで読んでくださった方々、誠にありがとうございました。
PS5版「WILD HEARTS」